こんにちは!札幌市のお墓・石材専門店としてお仕事をさせていただいております、昭光石材店です。

お墓参りに行くと、多くの方がお墓のお掃除をされると思います。そのとき、「どうしてお墓ってこんなに汚れるのかな?」と思われたことはないでしょうか? ほかにも、「いつもしているお墓掃除の方法って、正しいやり方なの?」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。今回はプロの目線から、具体的なお墓掃除の方法や、どんなところに気を付けて掃除をすればよいのか、札幌という地域特有のポイントも合わせて、お墓掃除の方法墓石のキレイを保つコツについて解説いたします!

 

なぜ墓石は汚れてしまうの?

墓石の汚れは、建てられて年月が経つとどうしても避けられないものです。では、そもそもなぜ汚れてしまうのかというと、お墓は屋外のものなので、砂ホコリなどが長い間に少しずつ溜まるなどの外部からの影響によるものがまず挙げられます。当社で主にお仕事をさせていただいている札幌市では特に、の影響も大きいです。

 

以前ブログでご紹介したこともあるように、いつもお世話になっている札幌市南区の滝野霊園は、全国的にも有名な札幌雪祭りの雪像を作るために持って行っているくらいきれいな雪が積もるのですが、そんなきれいな雪でも、溶けて乾くとお墓にホコリや泥などの汚れが付着しています。雨や風と同じように、雪もお墓の汚れの原因になります。

また、そうした外部からの影響のほかに、石特有の油じみなど、内部からの汚れも挙げられます。墓石が汚れてしまう原因は、外的なものや内的なものまで様々です。

 

お墓の掃除はいつすればよい?

滝野霊園 お盆期間中の様子

お墓の掃除は、お参りの際にされる方がほとんどだと思います。特にお参りの多いお盆には、多くの方がお掃除をされています。頻度としては、しっかりとした清掃は最低でも年に2回くらい行うのがおすすめです。一年のうちでお盆と同じようにお参りが多いのはお彼岸も挙げられますが、札幌市内では、春のお彼岸の3月中頃はまだ雪が多いので、お墓のお掃除は難しい時期です。

滝野霊園 2021年春のお彼岸の様子

先ほどの雪のお話でもあったように、雪解けのあとはお墓に汚れが付着していますので、お盆以外でもう一回効果的な清掃を行うなら、おすすめの時期は雪解け後の連休頃です。お掃除の間隔が長くなると、墓石に汚れが沈着して取れにくくなってしまいます。雪解け直後の連休頃であれば、沈着前に汚れを落としてきれいな状態を保つことにつながります。ほかにも、亡くなった方の命日秋のお彼岸など、やはりお掃除の頻度が多ければ多いほどお墓の汚れは溜まりにくくなります。

 

お墓掃除におすすめの道具

それでは、具体的にお掃除の準備を始めましょう!

当社でお掃除の際に使用する道具としておすすめしているのは、以下のようなものがあります。

お墓の掃除におすすめの道具

●雑巾・・・複数枚。水拭き・から拭き両方で使用。

●歯ブラシ・・・柔らかいもの。細かい部分の掃除用。使用済みも可。

●ほうき・・・土間のごみなどを掃き出す。

●ごみ袋・・・ごみや枯れた供花などを持ち帰る。

 

そのほか、墓地に応じて必要なもの・あると便利なもの

バケツ・・・墓地内に手桶がない場合は必要。

竹ほうき・・・落ち葉のお掃除用。砂利の間の落ち葉を掻き出す。

軍手剪定バサミなど

金ブラシなど硬いものは、石に傷がついてしまうのでおすすめできません。一番おすすめなのは、柔らかい雑巾で丁寧にお掃除をすることです。また、ご自分のお墓の状況や、お墓の置かれた環境によっては必要になる道具や、あると便利な道具もあります。周りに樹木が多い場合、砂利敷のお墓は砂利の隙間に落ち葉が入り込んでしまうこともあるため、掻き出すことができる竹ほうきなどがあると便利です。

 

プロが解説!お墓掃除の手順と方法

ここからは、具体的なお墓掃除の手順や、それぞれのお掃除方法について解説いたします。

①墓石の周りのお掃除

落ち葉ごみなど、手で拾い集められるもの、雑草をとりのぞく。
枯れた供花なども取り除いて、ごみ袋へ。

②ほうきで掃き出す

手で取り除ける大きなごみを取り除いたら、ほうきなどで細かいごみを掃き出します。
一般的なお掃除と同じように、上から下へ順にきれいにしていくと効率的です。

③拭き掃除 水拭き→から拭き

まずは、硬く絞った雑巾などで水拭きします。その後、乾いた柔らかい雑巾や布でから拭きします。
お墓本体とベンチの隙間など、狭い部分や細かい部分は、歯ブラシなど柔らかいもので丁寧にお掃除します。

一般的なお掃除と同じように、上から下へ順にきれいにしていくのが理想的です。また、水拭きをした後は、必ず乾いた布でから拭きして仕上げましょう。濡れたままにしていると、石が傷む原因となります。水をかけて濡れたままにすることも同様です。

水垢や苔・カビなどのしつこい汚れは?

水垢の例

墓石の石と石の継ぎ目、目地のあたりに黒ズミが溜まっている場合があります。これはほとんどが「水垢」です。お墓の置かれた環境にもよりますが、先ほどお話したように、年に2回くらい正しい方法でお掃除をされていれば、こうした汚れはそれほど溜まってしまうことはないと思いますが、汚れが溜まって黒ズミになってしまうと、普段のお掃除では取ることが難しくなります。汚れを取ろうと無理やりこすってしまうと石を傷つけてしまいますし、ホームセンターに売っているような洗剤等を使用することも、当社ではお客様にはおすすめしていません。石は思った以上に吸い込むので、洗剤が残ってしまうと変色の原因にもなりますし、きれいに洗剤を流しきれないことも石を傷めてしまう原因にもなります。私達プロでしつこい汚れを落とす場合は、スクレイパーなどの道具で丁寧にとり、あとはとにかく丁寧な水洗いできれいにします。

お墓のキレイを保つには?

さきほどお話した通り、最低でも年に2回くらいしっかりお掃除をすれば、汚れは溜まりにくくなり、お墓をきれいに保ち、ひいてはお墓がより長持ちすることにつながりますが、年月が経つとお墓の汚れは避けられないことで、それはいわばお墓の歴史ともいえるものです。

とはいえ、できればきれいなお墓をお参りしたいですよね。「気を付けていたけどお墓の汚れが溜まってしまった」「しつこい汚れが取れない」という場合は、プロの墓石クリーニングという方法もあります。ただ、当社では清掃のみのご依頼はあまりいただくことはなく、追加のご納骨や彫刻の際に、プロの手で水洗いをしてきれいにするお手伝いをしています。また、少し費用がかかりますが磨き直しなど再研磨という方法できれいにすることもできます。

 

お墓掃除のまとめ

●お墓の汚れの外的な原因は、雨や風、砂ホコリのほか、札幌ではの影響も大きい

●お墓をきれいに保つためには、最低でも年に2回くらいのお掃除を。札幌市内では、お盆以外に効果的な清掃は、雪解け後の連休頃がおすすめ

●お掃除は、上から下へ。金ブラシなど硬いものは傷がつくので避け、柔らかい雑巾で水拭き・から拭き

●石を傷つけてしまうため、無理に汚れを取ることは避ける

●必要ならプロのクリーニングもご相談を

今回は、札幌市内のお墓・石材専門店である当社がプロの目線で、お墓が汚れる原因や掃除におすすめの時期、手順や方法などについて解説してきました。札幌という地域にあわせた情報もお伝えできたと思います。いつもきれいなお墓にお参りできると、やっぱり気持ちよいですよね!お墓掃除について、こちらでご紹介した以外にもお悩みのことなどございましたら、どうぞお気軽にお尋ねください♪