地震で崩れた外柵羽目石や基礎コンクリートの部分改修、追加彫刻等。札幌市営霊園にて

札幌市のお墓・石材専門店としてお仕事をさせていただいております、昭光石材店です。札幌市営霊園にて、地震で崩れた外柵羽目石や基礎コンクリートの部分改修、追加彫刻等の工事をさせていただきましたので、ご紹介いたします。

 

札幌市営霊園 外柵補修・砂利入れ・追加彫刻・色入れ

 

ホームページをご覧になったお客様からお墓のご相談をいただきました。札幌市内の市営霊園にお墓をお持ちとのことで、区画番号を伺って早速確認にうかがいました。

 

こちらがご相談のお墓です。お墓の外柵が大きく崩れてしまっています。2018年の北海道胆振東部地震の際、こちらの霊園でもお墓の倒壊やズレなどの深刻な被害がありました。その時修復された方も多かったのですが中には手つかずのお墓もあり、こちらのお客様も当時のままになっていました。ご納骨を控えていることもあり、そろそろ落ち着いたこのタイミングでの修復を検討されて、弊社にご相談くださいました。

 

お墓そのものはとてもきれいにされていますが、実は昭和35年、60年以上前に建立されたお墓です。当時霊園内でも同じくらい歴史のあるお墓は被害が大きかったようです。崩れてしまった外柵の羽目石は、お客様がご自分でなんとか敷地の中に入れてくださっていました。ただ、手前の基礎コンクリートの部分も崩れてしまっているので、このまま据え直すことはできない状態でした。

 

お墓の左奥です。こちらも基礎コンクリートがかなり崩れてしまっています。

 

左手前です。こちらも同じ状況です。お客様に現状をご報告して、改修のご提案をしました。ただ、お墓をすべて取り外して新しく建て替える方法、基礎のみ打ち直して既存の石を据え直す方法は、どちらも大がかりな工事になるため、ご予算面でも大きなご負担になってしまいます。もう少し費用を抑えて補修ができないかということで、強度はまだ十分だったお墓右側面と後方の基礎コンクリートはそのまま利用し、左側と前面のみを部分的に打ち直して継ぐ形でリフォームする方法をご提案しました。

 

工事が始まっています。まずは崩れていた外柵の羽目石を一旦取り外します。

 

その後、コンクリート基礎の崩れている部分をはつって取り除いてきます。

 

左側面と前面の基礎部分に型枠を組んで、コンクリートを流し込みました。表面をきれいにならして、しっかりと固まるまでしばらく養生します。

 

基礎が完成したら、石の据え付けが始まります。土間部分の木はご希望で撤去しました。砂利も入れ替えるため、土と一緒に漉き取りました。どの羽目石も、倒れてしまっていたものの大きな欠けなどは見当たらなかったので、ひとつずつしっかり据えていきます。

 

通路側のお墓の左側、後方もきれいに据え終わりました。

 

きれいに据え終わった羽目石の石と石の隙間に、マスキングテープを貼っています。このあと目地を入れるので、しっかりときれいに深く入れるための準備です。

 

目地をすべて入れ直し、土間には五色の砂利を敷いて完成です! お墓正面文字の色の入れ直しと、追加の戒名彫刻もあわせて行いました。

 

ちょうど角地で外側から見えるL字の部分がきれいになっているので、一見打ち継ぎをしたようには見えないかもしれません^^

 

棹石の側面に新たなご戒名を追加して、既存の彫刻にもスミの入れ直しを行いました。

 

ご納骨の際に初めてお会いしたお客様は、「すごくきれいになってるね!」とびっくりして、大変喜んでくださいました。今回、外柵羽目石は修理をすることになりましたが、お墓本体は大きな地震を経てもほとんど影響が見られませんでした。お客様が日頃のメンテナンスや管理をきちんとしながら、大切にお参りされてきたからこそ、最小限の修理で済んだのではないかと感じました。このたびは弊社に工事をお任せいただきまして、ありがとうございました。これからもどうぞ大切にお参りくださいませ。何かお手伝いできることがございましたら、またお気軽にご連絡ください。

地震直後は、やはりたくさんの修理・補修などのご相談がありました。今年で4年が経って、地震関連のご相談もひと段落ついている印象ですが、気になっているけどなかなか相談できていない、修理したいけどどういう工事が必要なのかわからないなど、お悩みの方もまだおられるのではないかと思います。弊社では、お客様それぞれのご希望やご予算等に応じてご提案をしております。どうぞお気軽にご相談くださいませ^^