札幌市営里塚霊園にてお墓じまい工事。滝野霊園「頭大仏御廟」への改葬

札幌市のお墓・石材専門店としてお仕事をさせていただいております、昭光石材店です。札幌市営里塚霊園にて、滝野霊園「頭大仏御廟」への改葬とお墓じまいをお手伝いさせていただきましたので、ご紹介いたします。

 

札幌市営里塚霊園 お墓じまい

 

お墓じまいをご希望のお客様からご相談をいただきました。札幌市営の里塚霊園にお墓をお持ちで、5名の方のご遺骨が納められていました。ご兄弟は女性だけで、お墓のあとを継ぐ方がいないため、お墓は解体して市へ墓地を返還、ご遺骨は永代供養への改葬を検討されていました。

 

ご相談いただいたお墓です。こちらのお写真は、お墓じまいの前のご法要のあと最後のお参りをしていただいて、工事に取り掛かる前に撮影させていただきました。

ご相談をいただいた際は、ご遺骨の行先がまだ決まっていませんでしたが、検討された結果、滝野霊園の永代供養墓へ改葬されることになりました。当初は「ふるさと霊廟」というお一人12万円ほどのプランが候補に挙がっていましたが、墓石の撤去費用が予想よりも抑えられたことから、お一人30万円の「頭大仏御廟」への改葬に変更されました。

 

工事が始まっています。通常この構造のお墓では、水鉢を取り外して納骨口から遺骨を取り出しますが、今回はその方法での取り出しが難しかったので、お墓を取り外してからご遺骨を取り出すことになりました。写真は棹石と上台まで取り外したところですが、まだ取り出しは難しい高さでした。

 

最終的に、取り出しの作業がしやすいように、お墓の台座や外柵など石材をきれいに取り外してからご遺骨を取り出すことにしました。手前の階段部分も取り外しました。

札幌市内では、基本的にはさらしの納骨袋に入れた状態で納めるケースが多いですが、少し昔はお骨をそのまま直接散骨のような形で納めていることもあります。今回のお墓は、お一人分が納骨袋に入っており、それ以外はそのまま納められていました。ご遺骨はすべてきれいに取り出して一旦私どもで持ち帰って乾燥させ、可能なかぎり土とご遺骨とに分けます。新たなご納骨ができるように準備をしておきます。

 

石材の取り外しとご遺骨の取り出しを終えて、コンクリートの基礎を重機で解体しています。かなり頑丈な基礎が築かれていました。

 

コンクリートを取り外して、下の土が見えてきました。札幌市営墓地のお墓じまいでは、どの深さまで掘って、どこから土を入れたかなど、詳細に市へ報告しなくてはいけません。そのためにきちんと写真に収めておきます。

 

くぼんだ部分を埋め戻して平らにし、きれいな真砂土を表面に入れてならしたら作業完了です。

 

このお写真も札幌市へ提出します。提出後、後日管理事務所の方が現地を確認し、お墓じまい完了です。お客様には、工事前後と工事中のお写真を見ていただいて、完了のご報告とさせていただきました。

 

きれいにしたご遺骨は、滝野霊園の「頭大仏御廟」へ納骨しました。お写真の奥に見えているのが霊園のシンボル 頭大仏で、手前にこのような水盤があり、この水盤を右へ進んだ先にお骨預かり施設「頭大仏御廟」があります。お客様とご家族様ご一緒に納骨させていただいて、お墓じまい・改葬が無事に完了しました。

お客様は、お墓の後を継ぐ方がいないため、「どうしたらいいのかしら…」と何年も悩まれていたようでしたので、ご納骨を終えられた時には「ずっと気になっていたことが解決して安心しました」とおっしゃっていました。印象的だったのは、まだお元気なのでお参り自体は問題ないものの、もう10年、20年先の将来を考えると、お墓参りできる自信がないからとおっしゃっていたことです。「今年中に片付けたいんです」ということから始まったご相談は、改葬先が決まってからはあっという間に進んでスムーズに終えられて、ホッとされていることと思いますが、長年守ってこられたお墓ですので、寂しいお気持ちもあったと思います。お客様のお気持ちに寄り添ったご対応ができておりましたら幸いです。